2017年 11月 26日 ( 1 )

 

平成29年11月26日(日) 高川山林(小樽市) 天候:晴れ 参加:11名(+子ども2名)

冬がやって来た。

厳しい季節の訪れは、「身構える」ことと「受け入れる」ことの
相反する二つの感情をもたらす。
北国に暮らすひとびとには、この心情をご理解いただけるだろう。

冬は、交通障害・除雪費用・建造物の倒壊・心身の疾病発症など、
マイナス作用があることは疑いのない事実だ。

しかし。
過酷な環境の中でも人は、何らかの温かさ・美しさを感じ得る能力が
備わっているものだ。
冬のにおい・純白の雪原・透き通った空気・煌めく星座・ストーブの火。
それを囲む人たち。

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(写真:右側の樹木の穴は天然記念物クマゲラ食痕)




本日は、冬の木々を守るための作業だ。
何から守るのか。
ネズミからである。樹皮がかじられるのである。

ネズミが嫌うと思われる匂い・忌避物質を含んだ
「アスファルト・フェルト」を木々に巻き付けて
ネズミの食害を防ぐのだ。

北海道の山野に生息する野ネズミは数種類いる。
その中で樹皮をかじるものとそうでないものがいる。

林木食害獣とされるのが『エゾヤチネズミ』だ。
エゾシカの食害と並び林業被害は大きい。
エゾヤチネズミは、見た目はずんぐりして、耳が小さい。
頭胴長10~15cm。
尾長は4~5cm(からだの半分くらい)。
山林・湿地・草地など、笹や下草などが生い茂る環境を好む。夜行性。
2~5年ごとに大発生する。天敵に、フクロウ・テン・キタキツネ等。
食物連鎖の中では、上位種が少なければ下位種が増える。
生態系のバランスが大切だと、ここの部分だけで理解できる。
夏季はイネ科やカヤツリグサ科の植物繊維、果実、種子など食べるが
冬季は樹皮をかじる。※これが問題。
雪の下(と地面とのすきま等)を自由に駆け巡る。
敏感な耳と鼻とを駆使し見つけてそれを捕食するのがキタキツネ。
獲物の少ない北国の冬には重要な食糧だ。
エゾヤチネズミはエキノコックスの中間宿主であることは言うまでもない。
ところで、エゾヤチネズミはドングリの“先端”をくわえて運ぶのだそうだ。
先端には根・芽となる大切な胚があり発芽できなくなることもある。
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(画像:札幌市円山動物園ホームページより)



一方、『エゾアカネズミ』というやつがいる。 
こいつも山野に暮らす。夜行性。 種子・根茎のほか昆虫も食べる。
尻尾は長い。頭胴長と同じくらいの長さがある。木登りが得意だ。
こちらはドングリの“底部”をくわえて運ぶ。
大切な先端を傷つけることがない、よって発芽を妨げることがない、
種子撒布に役立っている(と言われる)。
冬季に樹皮をかじるのはエゾヤチネズミのやつだろうから、オイラは
無罪・冤罪だ。 見た目、ネズミらしいネズミだろ?
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(画像:札幌市円山動物園ホームページより)




本日のリーダーはFMさん。
11月11日にこのフィールドで作業予定だったが、低気圧の接近により荒天中止へ。
日を改めて、本日の作業となった。
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子ども2名も参加してくれた。これからもよろしく!
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さて、ネズミの食害から木々を守る作業スタート。

みんな協力して手際よくおこなわれる。
山主TGさんの手さばきは職人レベルだ。
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この日の作業では、全部で60本ほどの木々をアスファルト・フェルトに包み込んだ。



ネズミがいるとは聞いていても、本当にいるのだろうか。実感が湧かない、と思った矢先!
あ!これはっ!
いる! 間違いなく、いる!!
すでに木の幹の下部がかじられている・・・。そして、そいつの足跡も発見。
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  大切に木々をしっかり包んであげよう。
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木々の囲い作業が続くなか、同時進行で間伐作業も行われた。
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午前中の作業はおおかた終え、本日のお楽しみ「窯焼きピザ」の時間だ。
このピザ窯は、FM亭からこの場所へ引越し・移転設置されたものだ。
アウトドア活動において、ことさら楽しさを際立たせてくれる。
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   寒い冬だが、心まで温まるようだ。
   火を熾し、火を育て、キープする。
   いつも無心になれる時間だ。
   子供たちが大人になった時、ずっと後になった時、こんな風景を覚えているであろう。



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空腹も、心も満たされる。

ここ高川山林からの眺めは、素晴らしいのひとこと。

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日本海が見える。
夏の海もよいが、冬の海もまたよし。

吹雪にもならず、充実した冬の一日であった。
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今朝起きたときよりもずっと冬に向かう心構えができた気がした。

皆さん、お風邪など召されぬようご自愛のほど。

(筆: 森井 浩樹)



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by woodies | 2017-11-26 04:10 | 活動記録 | Comments(0)